保護帽を使用する前に、この取扱のご説明を必ず最後までお読み頂き、十分理解した上で使用して下さい。
保護帽は、法律(労働安全衛生法)で定める危険な作業場所やこれに準ずる場所での作業で、頭部を保護するために使用するものです。
保護帽は、厚生労働省の規格「保護帽の規格」に適合するもので、型式検定合格品には[労・検]のラベルが貼付されています。
[労・検]のラベルに記載されている「飛来・落下物用」とは、上方からの物体の飛来又は落下による危険を防止又は軽減するためのものです。「墜落時保護用」とは、倉庫に積まれた荷の上、車両の上等、足場又は安全帯が使用できない場所からの墜落による危険を防止あるいは軽減するためのものであって、構築物や電柱等のような高所からの墜落による危険までもが防止できるものではありません。「電気用」とは、使用電圧7,000V以下で頭部感電による危険を防止するためのものです。
厚生労働省の「保護帽の規格」は、頭部の安全を確保するための最低限度の基準を定めたものであって、保護性能には限界があります。従って[労・検]のラベルは絶対的に安全性を保障するものではありません。使用に当たっては最大限の注意を払い、常に安全な作業ができるように、この取扱のご説明に従って使用して下さい。
この取扱マニュアルに示してある警告及び注意の意味は、次のとおりです。
- [労・検]ラベルが貼付されていない保護帽は使用してはなりません。
- ラベルを確かめて、作業に合った種類の保護帽を使用して下さい。
- 一度でも大きな衝撃を受けたら、外観に異常がなくても使用しないで下さい。(衝撃を受けた保護帽は性能が低下しているので、次に衝撃を 受けたとき頭部を十分に保護することができません。)
- 電気用保護帽は、6ヶ月ごとに耐電圧性能の定期自主検査を行ってください。(安衛則351条)
- あごひもは必ず正しく締めて着用して下さい。(事故のときに保護帽が脱げて、頭部に重大な障害を受けます。)
- 保護帽を改造あるいは加工したり、部品を取り除かないで下さい。(保護帽は、各部品の全体のバランスで性能を発揮できるように設計されています。 改造したり部品を取り除くと頭部が保護できなくなります。)
- 保護帽を「保護帽20のチェックポイント」によって定期的に点検し、チェックポイントを符号するものはただちに交換して下さい。
- 使用期間が長い保護帽は使用しないで下さい。特に帽体の材質を確かめて、PC製、PE製、ABS製等の熱可塑性樹脂製の保護帽は、異常が認められなくても3年以内、FRP製の熱硬化性樹脂製の保護帽は5年以内に交換して下さい。
- 着装体は1年位で交換して下さい。構成される部品に劣化、異常が認められた場合は直ちに交換して下さい。(着装体を交換するときは、同一メーカーの同一型式の部品を使用して下さい。)
保護帽は、使用することによって性能が低下します。保護帽は、過酷な条件下において使用されるために、見た目以上に劣化が進んでいることがあります。性能が低下している保護帽は、緊急の危険に際して保護性能を発揮することができません。
- ヘッドバンドの調節が悪いと、使用中にぐらついたり脱げやすく、保護性能を十分に発揮することができません。
- メーカー指定以外の部品、付属品を取り付けないで下さい。(機能が低下したり、性能が損なわれます。)
- メーカー指定の部品、付属品を取り付けるときは、部品、付属品の取扱説明書にしたがって取り付けて下さい。
- 着装体、あごひもが汚れたときは、交換して下さい。交換するために組み立てるときは、完全に元どおりに組み立てて下さい。
- 交換のために部品を取り外したときは、部品類を紛失しないように注意して下さい。部品類を紛失したときは、他の部品と代替したり、部品不足のまま使用してはなりません。(性能が損なわれます。)
- 炉前、乾燥炉内、投光器のすぐ近く等のような高温な場所での長時間作業はしないで下さい。(材質が変質し、変色や変形を起こし、性能が低下します。)
- 夏季の自動車内や暖房器の近く等のような50℃以上の高温になる場所や、直射日光のあたる場所に長期間放置しないで下さい。(材質が変質、変色や変形を起こし、性能が低下します。)
- メーカー指定以外の塗料を用いて帽体の塗装をしないで下さい。(帽体の材質が侵され、性能が低下します。)
- 保護帽に腰掛けたり、物を入れて運んだりしないで下さい。(保護帽が変形し、着装体、衝撃吸収ライナー、帽体等を傷つけ性能が低下します。)
- 保護帽を床等に放り投げると、衝撃で帽体の材質を傷め性能が低下するので、保護帽は丁寧に扱ってください。
- メーカー指定以外のラベル、ステッカー類等の貼付をしないで下さい。(薬品、粘着材等によって帽体が侵されたり、耐電圧性能が低下します。)
- 帽体の汚れは中性洗剤を湿した布で拭き取り、清水ですすいだ布で清拭して下さい。
ベンジン又はシンナー等の有機溶剤の使用は、帽体の破損、クラック、表面の溶け、シール剥がれの原因や衝撃吸収ライナーの材質を傷めます。
使用区分(種類) | 構造 | 機能 |
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飛来・落下物用 |
帽体、着装体及びあごひもをもつもの。 | 飛来物又は落下物による危険を防止又は軽減するためのもの。 |
墜落時保護用 |
帽体、着装体、衝撃吸収ライナー及びあごひもをもつもの。 | 墜落による危険を防止又は軽減するためのもの。 |
飛来・落下物用 墜落時保護用 |
帽体、着装体、衝撃吸収ライナー及びあごひもをもつもの。 | 飛来物又は落下物による危険及び墜落による危険を防止又は軽減するためのもの。 |
飛来・落下物用 電気用(使用耐電圧7,000V以下) |
帽体、着装体及びあごひもをもつもので、帽体が充電部に触れた場合に感電から頭部を保護できるもの。 | 飛来物又は落下物による危険を防止又は軽減し、頭部感電による危険を防止するためのもの。 |
飛来・落下物用、 墜落時保護用、 電気用(使用耐電圧7,000V以下) |
帽体、着装体、衝撃吸収ライナー及びあごひもをもつもので、帽体が充電部に触れた場合に感電から頭部を保護できるもの。 | 飛来物または落下物による危険及び墜落による危険を防止又は軽減し、頭部感電による危険を防止するためのもの。 |
ヘッドバンドの調節 | ヘッドバンドは、頭の大きさに合わせて調節して下さい。(ヘッドバンドの調節が悪いと、使用中にぐらついたり脱げやすく保護性能を十分に発揮することができません。)ヘッドバンドの調整方法は、メーカーの取扱説明書にしたがって、正しく行って下さい。 |
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かぶり方 | 保護帽は真っすぐに深くかぶり、後ろへ傾けてかぶらないようにして下さい。 (あみだかぶりをしないで下さい。) |
あごひも | あごひもはきちんと締めて下さい。着用中はゆるめたり外したりしてはいけません。 事故のとき保護帽が脱げて重大な傷害を受けます。(あごひもの締め方、ゆるめ方、調節方法は、メーカー、販売店の指示にしたがって、正しく行って下さい。) |